チェンソーマン・岸辺はなぜ「最強のデビルハンター」と呼ばれるのか

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「あのオッサン誰?」が「マジで最強じゃん」に変わる男

『チェンソーマン』を初めて読んだとき、いつもスキットル片手にダルそうにしている中年のオッサン ── 岸辺の存在感に、最初は気付かない人が多いと思います。

でもこの男、デンジとパワーに訓練をつけるあたりからじわじわ強さの輪郭が見えてきて、最終的には 「人類最強のデビルハンター」 と呼ばれる位置にいる。

岸辺はなぜここまで強いのか。なぜマキマも警戒し、デンジ・パワー育成を彼に任せたのか。この記事では、岸辺の 強さの正体狂犬時代と呼ばれた過去、そして 第二部で果たしている役割 を整理していきます。

岸辺の「最強」の意味 ── 強さは3層で出来ている

岸辺の強さは、ただ「能力が派手」とか「悪魔が強い」というタイプではありません。3つの層が組み合わさってできています。

1. 悪魔の力に頼らない、生身の戦闘力

岸辺の根っこは、徹底的に鍛えた 生身の身体能力 にあります。

デンジとパワーに訓練をつけたとき、岸辺は悪魔の力を一切使わず、ナイフと体術だけで2人をボロボロにしています。「悪魔ハンター」と言いながら、最後は人間としての腕力と技で勝負がつくタイプ。

2. 「狂犬岸辺」と呼ばれた狂気

若い頃の岸辺は 「狂犬岸辺」 と呼ばれていました。とにかく狂ったように悪魔を狩り続ける男だったということです。

岸辺自身の持論は明確で、「悪魔が恐れるデビルハンターは頭のネジがぶっ飛んでるヤツ」。彼が常にスキットルの酒を手放さないのも、頭のネジを意図的に緩めるためです。ふつうの戦闘員には到達できない領域に踏み込み続けた結果が、「最強」という評価につながっています。

3. 経験と知恵 ── 生き残ってきた男のリアリティ

岸辺の最大の武器は、もしかすると 長く生き残ってきたこと かもしれません。

デビルハンターはだいたい数年で死ぬ職業です。そのなかで岸辺は何十人もの部下・バディを失いながら、自分は生き延びてきた。失った仲間の分だけ、彼の中には「悪魔とどう戦えば死なずに済むか」のデータが積み上がっています。

クァンシとの過去 ── 9年間のバディ

岸辺を語るうえで欠かせない名前が、クァンシ。岸辺の元バディです。

二人は若い頃、公安のデビルハンターとして9年間にわたってバディを組んでいました。岸辺は出会ってすぐクァンシを口説きにかかり、毎回殴られながらも諦めない ── というやり取りが続いていたことが、単行本のおまけパートでも描かれています。

最終的にクァンシは「自分は女性が好きだ」と岸辺に告げ、岸辺は泣く泣く想いを諦めた。9年バディを組んで、振られて、それでもなお同じ前線に立ち続けた ── ただの「過去の女」ではない、デビルハンターとしての盟友。岸辺の歴戦の経験は、半分はクァンシと共に積み上げてきたものでもあります。

デンジ・パワーの「先生」── 「俺の飼い犬」と呼ぶ男

第一部のなかで岸辺がもうひとつ大きな役割を果たすのが、デンジとパワーの育成係 です。

マキマ本人から指名されてこの仕事を引き受けたわけですが、岸辺はかなり早い段階からマキマを警戒していた節があります。マキマに対して「俺の飼い犬を殺そうとするなら容赦しない」という趣旨の釘を刺すシーンは、岸辺が 「マキマを警戒する立場」と「マキマの部下を育てる立場」 のあいだで、危ういバランスを取っていたことを示しています。

岸辺がどこまでマキマの正体を見抜いていたかは原作で明言されていません。それでも結果として、岸辺の訓練を経たデンジは第一部のラストでマキマと真正面から戦うことになります。「敵の女王の指示で、敵の女王を倒せる兵を育てる」── そんな綱渡りを、岸辺は意図したかどうかは別にして、成立させた男です。

第二部の岸辺 ── ナユタを連れてくる男

第一部のラスト、岸辺は 中国でナユタを見つけ出し、デンジに託す という、もうひとつ大きな仕事を果たします。

支配の悪魔は地獄から再び現世に転生していました。岸辺はその転生体(=ナユタ)を国家の手に渡る前に保護し、デンジのもとに置いた。「マキマと同じ悪魔が、もう一度国家に育てられたら世界がまた地獄になる」── そう判断したうえでの行動です。

第二部以降、岸辺の出番は第一部ほど多くはありません。それでも、彼が連れてきたナユタの存在は第二部の物語そのものを動かす根っこになっています。マキマを止めただけでなく、マキマの再来を防ぐ未来図を作った男 ── これが岸辺の、いちばん大きな仕事と言えるかもしれません。

まとめ

岸辺は、ただ「強い脇役」ではなく、『チェンソーマン』第一部の構造そのものを支えている男です。

要点をまとめると、

  • 生身の戦闘力・狂犬と呼ばれた狂気・歴戦の経験、この3層で「最強」と呼ばれている
  • 元バディ・クァンシとの9年間が、彼のデビルハンターとしての土台
  • マキマの指示でデンジ・パワーを育てつつ、マキマを警戒する複雑な立場にいた
  • 第一部のラストでナユタを連れてきて、第二部の物語の起点になった

派手な能力で殴ってくるタイプではないけれど、岸辺がいなければマキマは倒せていないし、ナユタもデンジのもとには来ていない。『チェンソーマン』を読み返すたびに、彼の重要度はじわじわ上がってきます。

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出典・参考

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